安部公房の書き下ろし長編小説。安部の代表的作品で、現代日本文学を代表する傑作の一つと見なされているだけでなく、海外でも評価が高い作品である。海辺の砂丘に昆虫採集にやって来た男が、女が一人住む砂穴の家に閉じ込められ、様々な手段で脱出を試みる物語。不思議な状況設定を写実的に表現しながら、砂の世界からの逃亡と失敗を繰り返していた男がやがて砂の生活に順応し、脱出の機会が訪れても逃げない姿に、市民社会の日常性や、そこに存在する人間の生命力の本質と真相が象徴的に描き出されている。
音楽に武満徹、タイトルデザインに粟津潔など当時の日本を代表するアーティストが参加したほか、主演にはフランス映画『二十四時間の情事』への出演で国際的に名を知られるようになっていた岡田英次と、三島由紀夫の戯曲上演で活躍していた岸田今日子が抜擢された。映画撮影は静岡県小笠郡浜岡町の千浜砂丘で行われた。
封切は1964年(昭和39年)2月15日にみゆき座ほか東宝系列の洋画ロードショー。そして同年4月14日に全国公開となった。 洋画と邦画で上映館の棲み分けができていた時期に、洋画上映館でロードショー公開される異例のケースとなった。 公開時の惹句は「突然 ある日 仁木順平は失踪した ずりおちた穴の奥深く 激しく開く女がいた」である。併映は岡本喜八監督作品「ああ爆弾」(主演:伊藤雄之助)。
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